日本には毒蛾と名前が付く蛾が大量にいます。毛虫の頃に毒がある蛾はかなり多いのですが、毛虫から蛾になっても毒がある蛾は実は数えるほどしかいません。
いきなり本題です。
成虫になっても毒を持っている蛾は日本では以下の種類です。
ドクガ、チャドクガ、モンシロドクガ、ゴマフリドクガ、キドクガ、サカグチキドクガ、フタホシドクガ、マガリキドクガ、タイワンキドクガの9種類です。
基本的にはチャドクガが最も気を付けるべきドクガと考えます。またほとんどの毒蛾は茶色っぽい色で顔面周辺の毛がふさふさしており「キモイ」です。モンシロドクガのみが白色です。
毛虫皮膚炎、毒蛾皮膚炎
均一な小さく赤いぶつぶつが1っか所に固まって出てきます。そして痒い。
治療としてはまずテープなどで患部をぺたぺたし、付着している毒針毛や鱗粉を除去します。その後水で洗ってさらに除去します。その後はステロイド外用剤の強めのものを外用します。
大まかに1~2週間程度で軽快してくることが多いです。
チャドクガ
①チャドクガ
本州・四国・九州に分布。
チャドクガはこんな形です。三角形のテントの様な形と羽根にぼんやりとした2本の線が入っています。もう少し黒っぽい個体も見られます。
羽根の先に小さい黒点があるのも特徴です。
ちなみにすべての毒蛾は似たような形をしています。
チャドクガの生態として、毛虫の頃はサザンカ、茶、ツバキを食害します。
困ったことにチャドクガの毛虫、成虫共に直接触らなくてもかぶれてしまうという事があります。
ツバキやサザンカの剪定をした後に皮疹が出現したり、枝を燃やしたりしてかぶれてくることもあります。まれには洗濯物を外干しして白いシャツが外套の光などで明るくなり、夜中にドクガが付着、朝には居なかったのにシャツを着た時に鱗粉が残っていてかぶれてしまう。などです。
ちょっと過剰防衛ではないでしょうか?
発症頻度No1はチャドクガでしょう。
モンシロドクガ
②モンシロドクガ
北海道・本州・四国・九州に分布。
唯一の白い毒蛾です。ぽちっとした黒点があります。
毛虫の頃にサクラ,ウメ,ナシ,リンゴ,クヌギ,コナラ,クリ、バラ、クワを食害します。
モンシロドクガも「集団でかぶれた」とされる報告があります。
その他の毒蛾
③ドクガ、④ゴマフリドクガ、⑤キドクガ、⑥マガリキドクガの写真はこちらのサイトがわかりやすいです。
③ドクガ
北海道・本州・四国・九州に分布。
チャドクガにある2本の細い線ではなく太い1本線にした感じの模様です。
毛虫の頃にサクラ、バラ、キイチゴ、コナラ、カキ、イタドリを食草としています。
④ゴマフリドクガ
本州・四国・九州・沖縄に分布。
羽根に線がなく、細かな黒点が存在します。
毛虫の頃にヒサカキ(ツバキ科)、サクラ、バラ、ニセアカシア、ノボタンなどを食草としているようです。
⑤キドクガ
北海道・本州・四国・九州に分布。
羽根に濃い茶色の島状の模様があります。
毛虫の頃にカバノキ、カエデ、クワ、イタドリ、クリなど様々な植物を食草としているようです。
⑥マガリキドクガ
本州、四国、九州に分布
ドクガと似ていますが模様がやや後ろよりで湾曲しています。
食草は不明です。
⑦フタホシドクガ
写真はこちらのサイトで見られます。
北海道、本州、四国、九州に分布
キドクガに似ますが羽根に1つずつはっきりした黒点があります。
毛虫の食草としてヤドリギを食べるとのことです。
⑧サカグチキドクガ
写真はこちらのサイトで見られます。
おもに九州南部、石垣島、西表島にかけて分布、本州でも時折発見されるとのことです。
ドクガのような太い1本線の模様と羽根の先に2つの黒点があります。
毛虫の頃にモクタチバナ、イタジイ(ブナ科)、イジュ(ツバキ科)などを食草とすることが報告されています。
⑨タイワンキドクガ
写真はこちらのサイトで見られます。
沖縄県に分布。
ただひたすら茶色の毒蛾です。
毛虫の頃にゴボウ、ダイコン、ツルソバ、バラ、マンゴーなど様々な植物を食草としている様です。
毒蛾に刺されないために
木の剪定を行う際や、アウトドア活動では可能な限り長袖、長ズボン、手袋をつけて行いましょう。また風の強い日などに剪定作業を行わない様にしましょう。
毒蛾を退治する際は、こんな商品もあります。
皮膚炎になってしまった場合はステロイド外用剤を使用します。
市販品で購入できるのはこんな薬品です。
症状がひどければもちろん皮膚科受診してください~。
かなり調査をしましたが間違っていることなどあればご指摘お願いいたします。
もみ毛虫です。毛に毒はありませんが、家じゅうが毛だらけになります。
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