巻貝の毒いろいろ

海の危険

サバイバル生活を想定した時に食料として一番入手しやすいのが貝ではないでしょうか?

そして二枚貝よりも巻貝の方がさらに入手し易いです。

岩に沢山くっついているのを採るだけですしね!

磯には巻貝が大量にいます

巻き貝の方が二枚貝よりも毒化がやや複雑です。

また巻貝は分類が難しく、地方名など含め様々な呼び名がついており、なにがなんだかわからなくなってしまっています。

スポンサーリンク

つぶ貝という貝

色々なサイト、魚やさんでも「つぶ貝」と言って売られている貝が多数あります。このつぶ貝という呼び名が曲者です。まず「つぶ貝」という貝、分類名は正式に存在しません

つぶ貝として売られている貝

「つぶ貝」とは、エゾバイ科の食用になる貝の総称の様な形で用いられています。

このエゾバイ貝の仲間だけで何十種類もあるのでいろいろな「つぶ貝」が存在してしまっています。エゾバイ貝の仲間は正式名称では~バイ、とか~ボラという名称になっています。

これらの貝の多くは肉食で他の貝や死んだ魚などを食べています。

下は「つぶ貝」として無料の写真サイトでダウンロードさせていただいた画像たちです。同じ「つぶ貝」でも全然違うやんけ!!

こちらは真ツブ;エゾボラと思われます
ヒメエゾボラと思われます(エゾボラより小型)
トウダイツブ;シライトマキバイ
モスソガイと思われます
シロバイと思われます
クロバイでしょうか?

分類難しいです!(ノ´□`)

上記分類も頑張ってみましたが間違っているかもです。

巻貝での麻痺性貝毒

二枚貝で発生するとされる麻痺性貝毒が少数ながら巻貝でも報告されています。

セイヨウトコブシ(輸入品)での報告です。

渦鞭毛藻類には付着性のものもあります。付着性の渦鞭毛藻を摂食することで毒化したのでしょうか?

セイヨウトコブシ、出典:厚生労働省ホームページ

沖縄ではヤコウガイ、チョウセンサザエ、ギンタカハマという貝で麻痺性貝毒が確認されています。

ヤコウガイ

ヤコウガイは食用にも装飾用にもなります。

これらの毒化は付着性の渦鞭毛層が原因ではなく、貝の食物である紅藻石灰藻が原因であろうと考えられています。

アワビによる光線過敏症

アワビの内臓(中腸腺)を食べると光線過敏症になることがあります2月~5月に起こる季節性の毒化現象で、食べた翌日以降に、顔面など日光にさらされる皮膚に発赤や腫れ、疼痛が出現します。貝の摂取する海藻のクロロフィルが原因といわれています。

2~3週間で軽快します。

あわび

アワビの光線過敏症に関しては医学の文献検索では見つかりませんでした。おそらくかなり珍しいものと思われます。

研究で科研費を申請してアワビ三昧なんてのはどうでしょうか?(゚ε゚*)。結局発症しなかったりして‥

テトラミン中毒

ヒメエゾボラ、エゾボラモドキなどの巻貝(上で紹介したつぶ貝)によって発症する中毒です。食後30分から1時間で頭痛やめまい、船酔感、嘔吐、眼痛などの症状を示します。

重症には至らず、通常2~3時間で回復し、死亡例はありません。

ヒメエゾボラ(左)と唾液腺(右)出典:厚生労働省ホームページ

日本の医学文献からの報告では、エゾボラモドキからの中毒例が最も多く、ヒメエゾボラ、チヂミエゾボラ、クリイロエゾボラ、エゾボラ、アツエゾボラ、アヤエゾボラで報告があります。

貝の唾液腺にあるテトラミンという毒が原因なため、調理時に唾液腺を取り除けばこれらの症状は起こりません。数十㎎の摂取で中毒を起こします。

唾液腺を取り除くには貝の顔を真正面から見て、筋肉部分を真っ二つに断ち割ります。すると筋肉内に脂肪の塊のようなものが見え、それが唾液腺になります。それを揉み出す様に除去すればOKです。

出典:札幌市パンフレット及びホームページ

酒に酔った感じが増すとのことで、あえて食べる人もいるそうですが、嘔吐や眼痛などが出たら明らかに嫌ですよね!

バイ中毒、特にテトロドトキシンについて

バイ貝を中心とした肉食の貝(これもつぶ貝)は食物連鎖で毒を持つことがあります。

バイ貝

バイ中毒

巻貝のバイ貝はネオスルガトキシン、プルスルガトキシンやまれにテトロドトキシンの毒を持ち、食することで視力減退、瞳孔拡散、口渇、便秘などの症状を示します。1957年に新潟で中毒死例が記録されています。

ネオスルガトキシンやプルスルガトキシンは汚泥中の細菌が産生していることがわかっています。

テトロドトキシン中毒

いわゆるフグ毒です。

ボウシュウボラ、バイ、キンシバイでの報告があります。フグ毒ですので死亡することがあります。多くの肉食の貝で毒化する可能性があると考えておいた方が良いです。

こちらは死んだフグを食べるなどで貝に毒が蓄積されたものと考えられています。

ボウシュウボラ 出典:厚生労働省ホームページ

ボウシュウボラは20㎝以上になる大きな貝です。

バイ中毒、テトロドトキシン中毒は基本的に内臓部分が毒化します。このため、内臓を除去すれば当たらない可能性が高くなります。

多くの肉食の貝で毒化する可能性がありますので、食べる時は内臓を除去しておいた方がよいと考えられます。

しかし、キンシバイという貝では筋肉部分が強毒になることがわかっています。

キンシバイ 出典:厚生労働省ホームページ

キンシバイは約4㎝程度のやや小柄な貝です。

この貝は食べないほうがよいでしょう!

まとめ

巻貝は分類が難しいです。

よくわからない巻貝を食べる時は唾液腺の除去と内臓の除去をして食べるようにしましょう。キンシバイだけは判別できるようにしておくとベストですね!p(^^)q

貝の分類が難しく知恵熱がでそうなもみじ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました