超気持ち悪いヒル。momijiは大嫌いです。
日本には約60種のヒルがいると言われています。
蛭に咬まれて病気になる可能性について調べてみました。
まず日本で人間を吸血することがわかっているヒルは基本3種類?です。
①ヤマビル、②チスイビル、③ハナビルです。
ヌマビルという種類が吸血するとの記載も散見されますが‥確実なところがわかりません。
ヒルに咬まれて発症する病気
意外にも蛭に咬まれて発症しやすい病気はないようです。ダニに咬まれると様々な病気を媒介されるのとは異なっていますね。
ヒルは虫と違い、牙で皮膚を傷つけ、出てくる血を吸っています。この様な吸血スタイルが人にとってやや安全なのではないかと考えられています。反対に虫は口を皮膚内に突き刺し、唾液を注入してから血を吸います。この時に病気を媒介していると考えられています。
蛭に咬まれてから出現する病気の報告を日本の文献で調べてみましたが、少数の報告しか見つかりません。
①皮疹の出現(色素性痒疹、多形紅斑、自家感作性皮膚炎、蕁麻疹、貨幣状湿疹、環状紅斑、湿布過敏、偽リンパ腫)②易疲労感、③受傷後1か月で排膿といったものです。
どれも報告は1例~多くで数例です。
momijiが実際出会った患者さんは、ヤマビルにかまれた所が難治性の湿疹(痒疹)になってしまっっていました。
他のリスクとしては、皮膚及び蛭自体に付着していた細菌に感染することや、獣の血を吸った際に病原体を持ってしまい、それが人間に感染する(人畜共通感染症)などが理屈上は懸念されます。
個々のヒルについて見てみましょう。
ヤマビル
陸上にいるヒルで吸血してくるのはこのヒルのみです。
陸上でヒルがくっついてきたらまずヤマビルです。ヤマビルは全体が褐色で背中に3本の縦線が入っています。体長は3~5cm、伸びると5~7cm程度です。雌雄同体です。
湿った森の中で獲物を待ち構えています。体の前後に吸盤があり、動物の出す炭酸ガスや体臭、歩行時の振動などを感知してすばやく身体に付着してきます。木の上からふってくることはなく、通常は靴から這い上ってきます。
ヤマビルの被害は、4月~10月の、特に気温が20℃以上で湿気の多い時に多く発生します。
体に付着した後は1時間程かけてゆっくり吸血します。前吸盤の中に3つある顎歯とよばれる細かい歯で皮膚を切り裂いて、同時に歯の間からヒルジンを分泌させて血液を固まらなくし、かつ痛みを感じさせないようにしています。吸血されていることに全く気付かず、靴下や靴の中が血まみれになっていることで気づくこともあります。
十分に吸血したヤマビルは、1ヶ月後に卵を産み、その後さらに1ヶ月で5mm程度の幼虫がふ化してきます。
鹿やイノシシが里に下りてくることで生息域が拡大しています。
ヤマビルの予防
まずは肌を出さないことが大切です。
靴から這い上がってくるので、厚手の靴下をはいてズボンの裾を靴下の中に入れ
ておくと、ある程度防ぐことができます。
普通の靴下程度の厚さでは吸血されてしまいます。
衣類や靴などに忌避剤や塩などを塗布しておくのも良いとされています。蛭対策の忌避剤が市販されています。
ディートありはこちら
ディートなしはこちら
ヤマビルにつかれてしまったら
引っ張ると取れにくいが、爪で吸盤をはがすか塩か消毒用アルコールなどをかけるとはなれます。
蛭が離れた後は、傷口から血を押し出してヒルジンなどのヒル由来の物質を流します。
血は通常2~3時間止まらないとされており、貼付剤の使用や、若干圧迫してガーゼなどをあてておくとよいでしょう。
よく見かける陸上のヒル
上図のコウガイビルは岩の下などに良く見かけるヒルです。頭が金槌のようになっているのが特徴です。このヒルは人の血を吸わないばかりか、なめくじの卵を捕食してくれる益虫です。
チスイビル
以前は田んぼによくいたヒルです。
茶色い体に数本の縦線が入っているのが特徴です(画像は手に入り次第掲載していきます)
農薬の使用などで近年激減し、ほぼ見られなくなっているとのことです。
淡水中に生育し、人が素足で水に入ると吸いついて吸血します。チスイビル咬症の文献は全く見当たらず、あっても報告されていないのか、ないのかわかりません。
重大な何かが起こればすぐ報告されると思われるので(ヒルからの感染症などがあれば、学会で突っ込まれにくく、発表が楽なのです。気楽に発表できる)あまり大きな被害はないのであろうと推測されます。
水中に生息するため、ヤマビルのように忌避剤が使用できません。
予防はしっかり長靴を履く位しかありません。
良く田んぼで見かけるヒル。
上の写真はセスジビルもしくはウマビルです。すみません、鑑別できません。この2種は緑色の大型なヒルで、吸血はせず、貝を食べています。
チスイビルは上写真のイメージで全体が茶色のものとお考え下さい。
ハナビル
黒っぽくのっぺりしたヒルです。
模様がない黒色、耳状突起がない、5対の眼点を持ち3番目と4番目の間に節がある、顎板に歯がない、といった特徴から同定されます。
やや暖かい地域に多く住んでおり、本州の一部や奄美、九州で寄生された報告があります。特に九州からの報告が多いようです。
山奥の清流におり、幼虫はごく細く、乳白色をしています。この幼虫は水中で待機して、野生動物が水を飲む際に鼻腔に入り込んで寄生します。約1か月の寄生生活で、数㎝から10㎝程度に育つと鼻腔から離れ、清流の水中に戻ります。その後は水生昆虫やイトミミズを捕食して暮らし、最大20㎝程度までに成長します。
人の場合、顔を洗ったり水を飲む際に寄生されます。鼻腔内や喉に寄生し、持続的に吸血します。
寄生された場合の症状は初期のうちは特にありません。鼻腔内でヒルが成長すると異物感や痒痛感が出現してきます。また頻回の鼻出血や大量の鼻汁なども時として出現します。
目の結膜に寄生された報告もあります。
清流でも直接水を飲むのは控えておこうかな?子供の頃は何も考えずがぶがぶ飲んでました。
他に吸血するヒルはいないのか?
勝手ながら吸血するヒルはもっといるのではないかと考えています。
なぜなら、自分や家族が上記特徴でないヒルに吸血されたことがあるからです。
momijiは小さいころ清流で小魚を捕まえていました。その際手に数匹くっついてきたヒルは全体が茶色ののっぺりした蛭でした(記憶の改ざんあり??)。また川の上流で泳いていた時に1㎝程度のヒルに咬まれました。このヒルは黒っぽくずんぐりしており、岩のように細かい突起があり、ナマコの様なイメージでした(記憶は正確)。
弟は上流の暖かくなった水たまりで「お風呂」と言って使っていた際100匹くらいのヒルにつかれました。1~2㎝と小さく、黄色と黒の横縞でした。
momiji家の人間だけでもこれだけ吸血されているのです。ヒルの世界はまだまだ奥が深いのではないでしょうか?
ヒルまとめ
ヒルの被害は現在ヤマビルによるものが圧倒的です。
ヒルに咬まれて出現しやすい病気は現在報告されておらず、ダニなどと比べ安全性は高いです。でも咬まれないにこしたことはありませんね。
服に気を使いつつ、忌避剤などを適宜使ってアウトドアを楽しんでいきましょう!
ウエットが欲しくて冷蔵庫に這い上るもみじ。
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