イソギンチャクは暖かい海にすむものに強力な毒を持つものが多く生息します。
もっとも強い毒を持つのがウンバチイソギンチャクです。岩や海藻に見えイソギンチャクに見えないのが困ったものです。ウンバチとは海蜂の意味です。イソギンチャク刺傷の症状は以下の通りです。
- 刺された時の激痛。その後腫脹してきます。水疱も出現
- 全身症状としては、嘔吐、痙攣、呼吸困難、急性腎不全、肝障害が出現することがあります
- イソギンチャクの毒は血管攣縮作用があり、抹消循環不全に陥り、結果として刺傷部の潰瘍が難治性となることがあります
初期治療は、先ず海水で洗うことです。43℃~45℃の加温が良いと書いてある文献もあるのですが、どうも評価はまだ確定でなさそうです。これは私の勝手な意見ですが温めてみて効果がなければすぐ中止すれ良いのではないかと考えています。毒はDsTx-60A、DsTx-60B、AvTx-60Aなどだそうです。これが加温で失活するかまだ分かりません。
病院での治療としては、治療は軽症(発赤、軽度の疼痛)の対してはステロイドや抗ヒスタミン剤を使用します。激痛があれば神経ブロックを併用考慮します。抹消循環不全にはカルシウムブロッカーなどの血管拡張剤を内服します。難治性創傷に対してはカルシウムブロッカーなどの血管拡張剤内服と併用し、高圧酸素療法を行うのが良いとされています。高圧酸素療法は血管収縮作用があるため、血管拡張薬を併用すると効果が良く、難治性潰瘍の治療に良いようです。
毒のあるイソギンチャクを列挙します。なかなか画像が手に入らずにすみません。画像が手に入れば追加していきます。
〇ウンバチイソギンチャク(最強)
〇ウデナガウンバチ(強毒)
〇フサウンバチイソギンチャク(強毒)
〇ハナブサイソギンチャク(強毒)
〇スナイソギンチャク(強毒)
〇ハタゴイソギンチャク
〇マミレイソギンチャク
〇ベニヒモイソギンチャク
〇イワスナギンチャク
〇カザリイソギンチャク
〇フトウデイソギンチャク
結構調べて記載していますが意外とイソギンチャクの詳しい情報、文献は少ないですね。新しい情報があれば追加していきます。
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